電電のブログ

電電生だったひとのぼやき

論文を書くにあたってのtips

つい先日諮問会が終わって卒業論文に一区切り着きました. 電電です.今回は卒業論文について色々まとめたり,使って便利だったサービスやサイトなどを紹介したいと思います.

卒業論文の形式について

卒業論文についてですが,僕が通う京都大学電気電子工学科では図,リファレンス,謝辞,付録などを抜いた文章だけで 20pです.先ほど実際に書いた卒業論文を数えると2万字程度でした.

提出形式はpdfならいいとのことでしたので,LaTeXを使いました.なんだかんだ数式とか参照とか書こうと思ったら楽だと思います. 一応Wordで書いてる研究室もあるらしいので,敷居の低さとカスタマイズの幅広さで一長一短かなと思います.

LaTeXは導入するのがすごいめんどくさいです.そこでめちゃくちゃ便利なサイトが存在します.

cloudlatex.io

僕も結局ここのサイトにお世話になりました. これの何がすごいって環境構築をする必要が全くないってことです. さらに,色々な端末で使用できる.最近githubのプライベートリポジトリが使えるようになったりと便利になっていますが, 非情報系の人などは使うのがしんどいでしょうし,いちいちUSBに入れて行ったり来たりするのはめんどくさいです.

cloud LaTeXを使えば家のパソコンでも研究室のデスクトップでもインターネットさえ使えれば使えます. ページ数が多くなるにつれて,重くなるという欠点はあるんですが,章ごとにフォルダ分けして管理すればそれも解決します.

フォルダ分けとかよくわからんって人のために実際に使ってたものの型を置いときます. よければ使ってください.

電気電子工学科.zip - Google ドライブ

ファイルの構造としては

main.tex

の下に

  • -chapter -figure -appendix -reference -acknowledgements

のようにフォルダが入っています. そのままcloud LaTeXに入れても使えます.

こまかいLaTeXの使用方法などについては書ききれないので,ググってみてください. 基本的な書き方や,よく困る図の挿入などに用いたリンク貼っときます.

基本

texwiki.texjp.org

複数の図を挿入するとき参考サイト

www.yamamo10.jp

また論文の添削をしてもらって,その訂正版を送る際に前回との差分をわかりやすくするプログラムがあります. 使用方法はmacのみですが,もしmac使いの方でしたら便利ですので使ってみてください.

添削時に差分を表示するサイト

ksknw.hatenablog.com

閑話休題

卒業論文でよく言われるストーリーを作れとは?

僕の研究室では卒業論文を一通り書き終わると先生に提出してレビューを受けます. その時に気づいたことなのですが,卒業論文って何も気にせず書いてると時系列順に書いてしまって研究報告書になってしまいます.

よくストーリーを考えろとか言われてますが僕もここが一番指摘されました.

具体的に説明すると研究者は, 研究するにあたってだいたい仮説を立ててからそれが正しいかどうかの実験を行います. ここでその時に欲しかった結果を結果Aとしましょう.

さて,実験を行うと結果Aはほとんど得られません.仮定が全て正しいことなんて稀ですし, 実験にはどうしてもばらつきが生じてしまいます. 実験結果によって結果Aが得られた場合は,おめでとうございます.あなたはとても幸運です. しかし,僕も含めて結果Aが欲しくて実験したのに違う結果が得られることがほとんどです. この結果を結果Bとしましょう.

この時,実験の思考手順としては 目的→解決のための手法の考案と結果Aが欲しくて→実験→結果Bが得られた. という感じになると思います.

僕は最初,これをそのまま論文に書いてしまいました. しかしながら,教授に指摘されたのは結果Aの思考の過程はいらないということです.

確かに結果Aが欲しくて色々な実験を行い,結果Aに関するデータはありますが,得られた結論はあくまでも結果Bなのですから... 結局,結果Aは意味をなしていません.

ここでストーリーを重視するなら最初の目的や仮定を書き換える必要があります. まず行なった実験は結果Bが欲しくて行ったということにするのです.結果Aを求めた実験のデータは捨てましょう.(慈悲はない) こうすると目的に対して明確な結果が書かれており,わかりやすくなります.

そういう大きな視点を持って論文を見ることができるのは教授の役割な気がしています. 目的と結果を明確にできるだけわかりやすく書く.枝葉となる部分は書いてもいいが,幹の部分は外してはいけない これが論文の添削を受けて一番修正くらった部分でした.

修正については,他にも作成と作製の使い方の違いとか色々あるんですが,それはまあ分野の違いとかもあるしいいでしょう.

あと僕はささっと書いて修正する方が向いてるっぽいです. プログラミングでもリファクタリングしまくるので一緒だな〜と思いました.

まあこれがちょっとでも論文書くときの助けになったら本望です.

本日もお疲れ様でした.