電電のブログ

電電生だったひとのぼやき

リクルートインターンに行ってきた話

電電です.


題名通りリクルートのデータサイエンスコースのインターンに一ヶ月いってきました.
忘れないうちに書き残しておこうとおもいます.

なぜリクルートにいったのか

どうしてリクルートにいったのかについてですが,これはブログにも以前書きましたが,

機械学習が利益,社会に還元される過程を学んで実践する」

ということを今年の夏インターンの目標の一つにしており,リクルートは日本の中でスーモやホットペッパーリクナビなど数多くのサービスを持っており,データを利用して価値を産むというのを体験できるいい場所だなと思ってリクルートにしました.


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きたぜリクルート

待遇

期間 9/2 ~ 9/27までの一ヶ月
   勤務はかなり自由.週5の人もいれば週3のインターン生もいた.
   基本は10:00~18:30の勤務時間だけど変更は結構自由.早く帰るときもあったし,午後出社のときもありました.
賃金 時給2000円
   交通費支給
住居 ウィークリーマンションを用意してもらえる(東京駅から20分いいところ)(部屋広い,ドラム式洗濯機あり)
特典 お昼をいいところで食べられることがある(部署によってまちまちらしい,うちの部署はミーティングとか忙しそうでチャンス少なめだった.)
   インターンのために欲しい技術書1万円分を買って良い権利
   期間中はmac book pro(メモリ16GB)貸し出し

配属先

配属はリクルートライフスタイルの中のAirレジハンディという商品を作っている部署に配属されました.


簡単にAirレジハンディがどんなものなのか紹介しておくと,今までの大規模なレジシステムをipadipod touchを使ってアップデートし,
誰でも簡単にレジ打ちや,商品オーダーができるようにしようというものです.
特にレジ締めやメニューの変更が簡単にでき,初期の導入費用も抑えられるというのが従来のレジとは大きく異なる点です.


airregi.jp

Airレジだけならipadがあれば,無料で導入できるので,商品を多く扱ってる文化祭の出し物とかの会計処理なら使えそうだな〜って思ってます.

この部署に配属されてから,レストランや美容室に行ってレジの種類とかどの会社のものを使ってるかを見たんですが,
結構な数のレジがこれになっていて浸透してきていると感じました.
手前味噌ですが,かなり緻密に考えらていて,無駄な機能を排除したAirレジは使いやすいし,これからのスタンダードになりうるんじゃないかなと思っています.

日程と内容

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インターン日程


インターンは4週間でした.
元から3連休が2つ入ってたのと,2週目に台風がきたせいで月曜日が結構潰れたので勤務時間としては比較的短めになりました.

初日は配属のための手続きをしてから懇親会,翌日から部署に配属されて,最初の1週間は実際に商品を触らせてもらったり,周辺のドメイン知識,飲食店の状況などを勉強したり,インターンのゴールについてや,インタビューの仕方などを勉強していました.

特に飲食店のドメイン知識を勉強してたんですけど結構これが面白くて,飲食店専用の月刊誌とかあるんですよね.
「居酒屋で一番の売れどき商品はこれだ!!」みたいな見出しもあれば,「繁盛しているメニュー全公開」,「FD率はこれを目指せ」みたいなのもあって新鮮でした.

何をしていたかはあまり詳しく言えないのですが,僕が担当していたのは,Airレジの機能の一部について,それが必要なのかどうかについて仮説作成や,それに対しての検証を行なっていました.インターンの流れは以下のようなフレームワークを用いておこないました.


問題の把握と言語化

現行の代替案の把握

仮説の作成と検証

ソリューションの提案と検証

プロトタイプ作成と結果解釈

要件定義


そもそもMySQLの書き方を学んだのが,前の某YAGEのインターンだったので,いきなり何百もテーブルのあるDBや,数百万件もあるデータログを触るのは結構手間取ってたと思います.
わからないところはわからないなりに,ググったり質問してなんとかのりこえました.DBもうちょい勉強しないといけないですね.
あと,データサイエンスとして配属されましたが,僕が面接で「問題を解決できるのであれば極論コードなんて書かなくて良いと考えています」といっていた影響もあり,データアナリスト寄りの仕事をやってい他と思います.
他のインターン生はゴリゴリモデル作ったり作っている人もいたり,同じように案件の構造を整理しているひともいたので配属先によってかなりかわるみたいです.
人事の方はここら辺をかなりよく見ていて,その人にできるだけあった部署に配属しているという印象でした.


2週目の初っ端に台風が関東を直撃して電車が止まっていたのでみんなslackで有給をとったり,午後出社していました.
僕もニュース見ながらこれは無理そうだなーと思って連絡入れて,午後出社してました.こういうのが柔軟なのは助かりました.

なんですけど,連続インターンの疲れが出たのか2週目の途中で,ほろ酔い気分で宿帰って寝ようとしたら,真夜中に吐き気が出て来て,食べたもの全部吐くし,水飲んでも吐くしで倒れてました.
朝,病院にいくと軽めのウイルス性胃腸炎だそうで,点滴2本入れてもらったらちょっと元気になったものの結局二日ダウンしてました.
ムリ.ゼッタイ.ダメ.

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病院でダウン


復活した後は特に問題なくいけました.職場の方と人事の方心配かけて申し訳なかったです.
腸炎が出る潜伏期間は2〜3日あるようで結局どこでもらって来たのか不明です.


その後も中間発表があったり,検証結果が思ってもみない結果で修正を迫られたりと,色々と案件のリアルな部分を触らせてもらいました.
途中でインターン生を集めてのLT会があったり,よもやま会という何を話しても良い会みたいなものを人事の方と1:1で行なったり,
リクルートの中でデータサイエンティストとして活躍している方などとお話したりする機会もありました.

週末は電子工作したり,コーディングしたり,ブログ書いたり,以前のインターン生と東京ゲームショウに一緒にいったり,大江戸温泉でゴロゴロしたり楽しんでました.

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電子工作

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TOKYO GAME SHOW!!

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大江戸温泉


最後の週は自分で調査した結果をドキュメントにまとめたり,実際に機能を作成する上で必要な情報や例外処理をどこまでスコープに入れるかなどをドキュメントにまとめていました.最終発表のためのプレゼンも練習しなくちゃいけなかったので忙しかったです.頭脳労働は1日7時間が限度!!

結構最終発表に人がきてビビりました.まあ無事終わってよかったです.

環境

職場は東京駅徒歩2分のリクルート本社でした.ただ朝はエレベータがかなり混んでいて,最初は面くらいました.
エレベーターの数が多いので思ってるより列は進むのですが,やっぱでかい会社だなと思いました.

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朝のエレベーター

与えられた環境としては広めの机とサブディスプレイ,あとは2018?のmacbook proでした.
メモリは16GBのやつだったので,時々退職エントリとかである支給パソコンが遅くてイライラしたみたいなのはなかったです.

ただ,一つ欠点としては支給された画面がちょっと古めで目がすぐいたくなりました.
社員の方はトリプルディスプレイとか椅子の代わりにバランスボールがあったりと申請すればわりかし自由に購入してくれるようです.

あと昔プラレール好きだった僕は東京駅を一望できる休憩所は気分転換にとてもよかったです.

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学んだこと

色々新しいことに挑戦したんですが,今回のインターンで学んだことは

検証の大事さ

いつも自分がものを作る時って,自分で作りたいものをただ作るってことをしていたんですけど,今回のインターンでは作る前にその機能や,そのサービスは本当に求められているのか,他に方法はないのか,その仮説は正しいのか他の分野ではその問題をどう解決しているのかみたいな部分を明確にして,一つ一つ検証していくというプロセスを実践できました.
もちろんこれだけが大切なわけじゃないですが,大きなプロダクトを作る上でこの考えはとても大切だと思います.
部署のトップに「機能を作るより機能を削除する方がはるかに大変」と言われた時に,検証がいかに大事か理解できた気がします.
ミニマムでものを作っていく時に何をスコープにいれて何をスコープアウトにするのか,どうしてスコープアウトにするのかということをきちんと説明できるというのは大事ですね.

フレームワークの有用さ

今までよくあるコンサルとかで使われているフレームワークってどこまで使えるのか疑問視していたんですけど,結論からいうとかなり使えました.
もちろん意味のわからない「これを守れば会社はまわる!」みたいな独自ルールが50個も100個も載ってるようなビジネス本も書店には溢れてますが,きちんとしたフレームワークにのっとって,仕事を進めていくことは,無駄を無くし,漏れを無くし,説明の明快さを担保したり,エンジニアへのドキュメントを書く上で必須だと感じました.

データを有効に使うことの難しさ

kaggleみたいなデータをみてるととても問題って単純化されていて,モデルの精度のような目的がはっきりしていますが,現実はそうではなくて,
問題がどこにあるのかわからないし,何を精度にして,どう測定して,どう比較するかみたいなことも決められてませんし,ここら辺の問題の切り分けや構造の整理をすることは大事である一方で,かなり泥臭いなあと感じました.データ構造的に比率だけでは見れないから,全部のデータの怪しいん部分を片っ端からみて,おかしいところを見つけるとか,正規化がされていないから,データの一部を捨てざるを得ないみたいなことはかなりありました.
他にもデータだけでみているとおかしいのに,実際にインタビューしたり,話を聞いていると合理的な理由からわざとそのようなデータ構造にしていたり,クライアントがプロダクトを自分たちの思ってるような使い方をしていなかったり,いろんなパターンがありました.


予想とは違うこともあり,苦しめられましたが,それも合わせて,結構楽しかったです.仮説,検証,論理立て,議論,結論出しっていうサイクルは結構好きみたいですね.

データサイエンティストについて

終わってみて思うことは,データサイエンティストと呼ばれる職業は,コンサルタント,エンジニアリング,データサイエンスの三つから構成されていて,モデリングや,データ予測だけが仕事になる人は一部だということです.

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データサイエンティストに必要な能力値

実際にはモデルを作成する人,データサイエンスをうまく成し遂げるために基盤を作っている人,問題定義を行なったり、問題の洗い出しを行う人,
問題の調査や、ソリューションの提案、効果検証を行う人などがいて,それらの総称がデータサイエンティストと呼ばれているのが現状っぽいですね.

イメージ通りのデータサイエンティストのように,データだけでガリガリ現実の問題を解けるかっていうと、それは相当すでにデータの機構が揃ってかつ,環境が整備された状況であって、特殊なパターンです.
問題を解くためにデータでも、検証でもなんでも使う人っていうのがより正しいデータサイエンティストの形であると感じました.

結論として,データサイエンスという職業は僕たちが思っている以上に独立したものではなくて、もっと普遍的で必要なものであって,これが今までプランナーと呼ばれていたり、コンサルタントと呼ばれていたり、PMと呼ばれていただけで,データサイエンティストには大きな揺れ幅(言語的な揺れ)があって、その幅はまだまだ大きいのでデータサイエンティストそのものを厳密に捉えすぎないほうがいいかもしれないということですかね.

リクルートについて

僕の所属したチームのスピード感は結構早いと感じました.部署の特色として,スピード感はかなり早いらしいです.

他にも,あくまでもこれは僕の配属先のチームの話になってしまいますが,各人がとても自由だと感じました.
副業が可能なので,コーヒーショップを持っていたり,レストランのオーナーの方がいたり,面白そうな人,個人の色合いを多く持った人が多かったです.
各人が持っている”個”というものを保ちながら,全体としては一つの方向をむいている.という離れ業を安定感を保ちながらやっているというイメージでした.
その人の能力だけじゃなくて,思考方法とかがそこにフィットするかみたいなところをかなりよくみていると感じました.
この大企業でそれができるのも結構すごいことだと思うので,一番人事の方がすげえみたいな話を会社の方としていた記憶があります」.

あとは,個人の意思がかなり尊重されるというのも強みだと感じました.もちろん合意はとらないといけないですが,個人がしたいことを結構優先してくれる環境だと感じました.逆に言えば,個人として意見を言えるような芯をもった人じゃないと辛そうな環境だとも感じました.向き不向きがありそうな企業だなととても思います.



ある程度好き勝手にやれる一方で巨大企業として,体力が無尽蔵にあるので,ベンチャーみたいなお金がなくて,受託の仕事をやらざるを得ないみたいな状況にはなりづらいのもいいところですね.

まとめ

リクルートのメンターの方や,部署トップの方,人事の方にはとてもお世話になりました.ありがとうございました.

リクルートインターンが終わり僕の夏休みは終わりました.
いろんな方にお世話になってこの夏はかなり充実したものになったと思います.これまでもインプットして,アウトプットすることはできるだけ意識していましたが,これからも続けていこうと思えました.
あと自分の弱みや強みもわかったので,その部分をうまく修正できるような環境を作ったり,環境に身を置いて,自分をより磨いていこうと思います.

さらに,アウトプットする中でフィードバックをもらえるというのは大きな励みになっています.いつもこのブログを読んでくださっている読者の方には感謝しかありません.
これから自分にとってアウトプットとして大切だと思ったものはゴリゴリ書いていく所存なのでよろしくお願いします.


最後に,この夏出会った方や,久しぶりに再会した人の中で自分は成長できたと思っています.これからもよろしくお願いします.
ではまた.


電電